江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。
本日のテーマは「高止まりする新築マンション」についてです。
参考にして下さい。
高止まりする新築マンション
日経新聞で気になる記事を見つけました。
【マンション「高すぎる」 増税まで2カ月、販売現場は今】
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47903020Z20C19A7X11000/
内容を簡単に説明すると、消費増税を控える2019年前半の新築マンションの販売戸数が1992年以来の低い水準だった。
その理由は、新築マンションの価格が高止まりしているから。
新築マンションが高止まりしているのは、「地価上昇・用地不足」「人件費の高止まり」「値引き販売の抑制」「ホテル業者に競り負け」「働き方改革」「不動産会社に経営余力」といった要因だそうです。
東京オリンピックに向けて、ホテル業者が強きな値付けで用地を取得していく中、働き方改革で人件費は高騰、しかし、不動産会社にはまだ余力があるため、値引きをしてまで販売する必要がない。
新築マンションを選ぶ理由は?
新築マンションを選ぶ理由で一番多い回答が、「新築の方が気持ちいいから」だそうです。
その他の理由は、「リフォーム費用が高くなりそう」「隠れた不具合が心配だった」「耐震性や断熱性など品質が低そう」と続きます。
【政府統計の総合窓口「e-Stat」より参照】
好立地が資産価値では重要なこと
不動産の資産価値という観点で考えると、将来売却をするときの価格である「リセールバリュー」を意識して物件を選ぶ事が大切です。
【リセールバリューの決定要因】
広域立地:都心vs. 郊外人気住宅地か否か【60%】
狭域立地:駅前~駅近物件vs. 駅から離れている【30%】
物件スペック:専有面積や階数、環境の良し悪し等【5%】
個別要因:物件の仕様・設備、特筆すべき条件【5%】
上記の通り、90%の要因が「立地」であることがわかります。
新築マンションだって、必ず中古マンションになるわけです。
設備は、常に最新のものが出てきます。
新築マンションの資産価値は買った瞬間に大きく毀損する
都心の一等地の物件であれば、新築当初から何年も経っても、価格が上昇したり、買った金額で売られることもあります。
しかし、大多数のマンションは、買った瞬間に10~20%の資産価値が毀損します。
理由は、新築マンションには、不動産事業者の利益・販売管理費・消費税がのせられているからです。
好立地にはすでに物件がある
新築マンションを販売する事業者は、用地取得に苦労しています。
理由は、前述の通り、ホテル業者の強気な値付けです。
建物が古くなり建替えをするときも、マンションではなくホテルになることも増えているようです。
マンションは売れた時点で利益が確定しますが、ホテルは稼働していれば利益が入ってくるから、収益率が高いというわけです。
ホテル事業が不動産事業者の最終到達地点とも言われています。
賃貸管理・賃貸仲介・売買仲介・建売住宅の販売・注文住宅の販売・収益物件による賃料収入と不動産事業者はビジネスのステップを踏んでいき、最終到着地点がホテル事業です。
ほとんどの中小企業はホテル事業までたどり着きませんが…
少し話がそれましたので元に戻します。
つまり、資産価値が保たれる好立地には、すでにマンションやホテルが建っているのです。
新築の方が綺麗で気持ちが良い、リフォーム費用がかからない、保証があるから安心等々の理由で、高止まりしている新築マンションを購入してしまうと、将来ライフスタイルが変化しても、身動きがとれない状態になってしますことが考えられます。
身動きがとれないとは、売ろうにも住宅ローンの残債が返せない、残債が返せても、売却後に手元にお金が残らないといった状態の事です。
賃貸への住み替えも高齢となってくると、申し込みを断られるというケースも増えています。
資産価値・リセールバリューを意識すれば、新築マンションではなく中古マンションを選んだ方が賢明であることがわかってきます。
新築マンションを検討している方は、一度立ち止まって再考してみてはいかがでしょうか?
10・20・30年後の事を想像してみましょう。
まとめ
・「地価上昇・用地不足」「人件費の高止まり」「値引き販売の抑制」「ホテル業者に競り負け」「働き方改革」「不動産会社に経営余力」といった要因で新築マンションは高止まりしている。
・資産価値の決定要因の90%は「立地」である。
・新築マンションは買った瞬間に10~20%の資産価値が毀損してしまう。
・資産価値・リセールバリューを重視すると、買うべきは新築マンションではなく、中古マンションである。
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