江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。
昨日は、築20年超の中古戸建をご購入時の住宅ローン減税の注意点について解説致しました。
本日は、その実際の失敗事例をご紹介致します。
参考にして下さい。
住宅ローン減税の失敗事例
弊社、江戸川不動産情報館が加盟しております【買主様に徹底的に寄り添うバイヤーズエージェントシステム「リニュアル仲介」】本部へお問い合わせがあった事例をご紹介致します。
この方は、築50年の木造中古戸建てを購入し、フルリノベーションする計画でした。不動産購入の段取りを依頼した不動産仲介会社が、住宅ローン減税について、お客様に、丸投げ状態だった為、お客様ご自身で制度を一から調べていたそうです。
経緯
まずは役所に相談してみた
耐震基準適合証明書について、役所へ相談に行ったそうです。
なんと、相談をした窓口の職員さんが、全く話が理解してくれなったとの事。
制度は存在しても、末端の窓口まで知れ渡っているわけではありません。役所へ確認や相談に行く時は、口頭の説明では話が通じない場合がある為、国が作成した文書を持参して行くと良いと思います。
この相談の時は、国土交通省が作成した文書を案内したとの事。
新住所登記について
続いて新住所登記です。そもそも、新住所登記は役所からからするとルール違反なのです。まだ、実際に居住していない訳ですから、当然の話ですが、不動産業界の慣習として、居住前に、住民票を新住所に移す事は、よくある事なんですね。
何故なら、旧住所のままで登記を行うと、住所変更登記※が必要になるのと、次に登記内容の変更を行うまで、そのままにしてしまう人が多い為、不動産仲介会社というよりは、金融機関が新住所登記を求める場合があります。
住所変更登記にも、当然費用が発生します。不動産購入時、住宅ローンの金消契約の前に、先に新住所へ変更をしてしまえば、この住所変更登記が不要となる為、不動産会社や金融機関の担当者は、良かれと思ってアナウンスしています。
その為、新住所登記は、不動産業界の慣例としてはかなり浸透しています。
それが、当たり前となっている為、新住所登記を行う理由が、そもそも理解出来ていない担当者がいるのは仕方がないことかもしれません。これは、不動産業界の慣習ですから、お客様には関係のない話ですよね💦
その結果、お客様に、逆に不利益があるのですから…。
国が作成した文書をみせて説明すれば、通用しない訳がないのですが、不動産仲介を依頼した不動産会社の担当者が、制度を理解していない?そもそも知らない?そういう場合、話を通してもらえない事があるわけです。
貰えるはずだったリフォームの補助金が貰えない
リフォームの補助金でも問題が発生しました。
中古住宅を購入時には、耐震改修・性能向上リフォームを実施すると、様々な補助制度が利用出来ます。
これらの補助制度は、主体が自治体だったり、国だったりと運用ルールが、様々で、併用ができるものとそうでないものもあるのです。
補助制度は、定められた要件を整理すれば、よりお客様にメリットがある方法を見出すことができるのですが、リフォームを行う事業者が不慣れだと、「知らないよ?」「それはお客様が手続きしてください」といった信じられない対応になる事もあります。
住宅ローンでも苦労
住宅ローンでも苦労がありました。フルリノベーションですから、高額な費用が発生します。リフォームに関するローンは、運用が様々で、出来ればリフォームローンを、住宅ローンと一本化して、金利を低く抑えたいのですが、物件本体のローンは、〇%が上限ですとか、築〇年以内とか、独自ルールを定めていることが多い為、そういったルールの交通整理に不慣れなお客様は、混乱してしまいます。
本来は、ローンのご提案・ローンアレンジは、不動産会社が行うのがスタンダードですから、お客様が不慣れなのは当然ですね。
今回のケースのように、築年数が古い住宅のフルリノベーションの場合は、特にローンが難しいのです。
フラット35の利用も検討されたようですが、相談されているリフォーム会社の判断が誤っていて、フラット35が利用できない住宅だと判断してしまったそうです。
確かにリフォーム前の現況では、基準を満たさないですが、耐震改修を行うリフォーム規模からして、解決できる方法はあったと思われます。
事業者が頼りないと苦労する
今回の事例からわかるのは、不動産購入において、特に築年数の古い中古住宅購入は、不動産仲介会社選びが、重要だということです。不動産仲介会社選びを間違えると、今回の事例のように様々な手続きを丸投げされてしまうことがあるわけです。
また、リフォーム事業者選びも重要です。単純に安い見積額だけで選んでしまうと、各種補助金制度についてのアナウンスを受けられない、それどころか、建築士不在で、そもそも制度が、利用出来なくなることもあるので注意が必要です。
築年数の古い中古戸建でも住宅ローン減税が使える可能性はある
国の調査結果によりますと、中古住宅取得時の約半数の方は、住宅ローン減税を利用していない(利用出来ていない)そうです。状況をしっかりと把握して、必要な手続きを行えば、この割合はかなり改善されると思います。
単純に、築年数だけで判断し「古いから住宅ローン減税は利用できない」と説明する事業者を信用してはいけません。「どうすれば各種制度を利用出来るのかの方法」を提示してくれる事業者選びこそが、不動産・住宅購入時の重要なポイントです。
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