インスペクションに関するボタンの掛け違い【その5】

インスペクションに関するボタンの掛け違いその5

江戸川区 不動産エージェント 江戸川不動産情報館です。

 

本日は、インスペクションに関するボタンの掛け違いシリーズその5です。

参考にして下さい。

過去の記事

☆2018/12/19 インスペクションに関するボタンの掛け違い【その4】

☆2018/12/12 インスペクションに関するボタンの掛け違い【その3】

☆2018/12/04 インスペクションに関するボタンの掛け違い【その2

☆2018/11/28 インスペクションに関するボタンの掛け違い【その1】

インスペクションと瑕疵保険の免責事項

今回は「瑕疵保険の免責事項」という点についてご説明いたします。

瑕疵保険とは?

既存住宅売買瑕疵保険は、構造躯体と雨水の浸入に対する保険制度です。

検査会社が調査を行って、瑕疵保険の検査基準に合格しないと、保険に加入することはできません。

良く陥る勘違い

多くの仲介会社が勘違いしているのが、「検査に合格した住宅はお得だ」という認識です。これは大きな間違いです。

重要なのは?

その4で記載しましたが、現時点で劣化の指摘がないことは、これから家を買う人にとってはあまり重要ではありません。

大切なのは「あと何年くらい使えそうか」の想定と、今後家のメンテナンスにどれくらいお金が必要かということです。

例えば築15年の住宅(個人間売買)を購入

築15年の住宅(個人間売買)を購入したとします。

引渡し前のインスペクションで指摘がなかったので、既存住宅売買瑕疵保険に加入することができました。

この住宅は「安心」なのでしょうか。

答えはNoです。

免責事項

以下は保険会社によって判断がかなり異なるので、最悪の場合、免責となり保険金がおりない可能性のある事項です。

 

〇洪水、台風、暴風、暴風雨、せん風、たつ巻、豪雨もしくはこれらに類似の自然変象、または火災、落雷、爆発、航空機の落下、変乱、暴動、騒じょう、労働争議等の偶然もしくは外来の事由

〇地震もしくは噴火またはこれらによる津波

災害は免責

→つまり、災害は免責となります。最近目にする「ゲリラ豪雨」もこれに該当すると判断される恐れがありますね。

地盤に起因する事も免責

〇土地の沈下、隆起、移動、振動、軟弱化、土砂崩れ、土砂の流出もしくは流入または土地造成工事の瑕疵

 

→地盤に起因することは免責です。もっとも地盤に起因する劣化については、中古住宅の場合、取引時点でのインスペクションで判明するので、保険金が出なくて困ったというよりは、このことが原因で保険に入れなかったという事例の方が多いと思います。

虫食いも免責

〇対象住宅の虫食いもしくはねずみ食い、対象住宅の性質による結露または瑕疵によらない対象住宅の自然の消耗、摩滅、さび、かび、むれ、腐敗、変質、変色もしくはその他類似の事由

 

→ここがポイントとしては大きいです。まず、虫食いが免責事項になっています。つまりシロアリ被害は保険対象外です。

経年劣化も免責

続いて、瑕疵によらない対象住宅の自然の消耗が免責事項に上がっています。自然の消耗とはまさに劣化であり、雨漏れなどの保険事故発生時に、原因が劣化だと判定されると保険金がおりない可能性があります。

(ここの判断は保険会社によって大きく異なりますが、重要事項説明書などにはこのような記載がされています)

 

こうして記載すると、瑕疵保険は何のためにあるのか?と疑問に感じる方もいるかもしれません。

瑕疵保険の本当の価値はメンテナンス

瑕疵保険の本当の価値はメンテナンスにあります。

瑕疵保険の検査基準にたまたま合格したラッキーな住宅だけが保険に加入できる、ではなく、検査基準に合格できるレベルの修繕工事を伴って中古住宅を買いましょう、という考え方が適切だと思います。

保険金が出る・出ないの問題はありますが、少なくとも改善工事は行われているので、そもそもの保険事故が発生するリスクが大幅に軽減されます。

リフォーム費用も住宅ローンで

また、住宅取得時にはリフォーム費用を住宅ローンにまぜることもできるので、後々ちょこちょこと工事をするよりも、取得時にまとめて実施した方が結果的にお得という場合もあります。

改修工事が前提である

既存住宅売買瑕疵保険は消費者保護の欠かせない制度ですが、改修工事が前提であるという認識でないと、色々と判断を誤ってしまう恐れがありますので、注意が必要です。

※そもそも工事に関与していない検査会社が他社施工の中古住宅を保証するという時点で色々と無理がありますよね。

正しい知識が必要です

制度を活用するには、正しい知識が必要です。

仲介会社でも不慣れな事業者が多いので、中古住宅取引の際には、仲介会社にたくさん質問して、納得のいく回答が得られるか、わからなくても誠意をもって情報収集を行ってい頂けるかなどを、事業者の判断基準としての活用をお勧めします。

 

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